この記事でわかること
- 海外赴任4年の経験からまとめた「駐在員10の心得」
海外赴任をしてみるといろんなストレスを感じるものです。現地社員が指示がないと動いてくれなかったり、赴任元の日本側から、何をやっているのか見えないと言われたり。
誰にも相談できずに悩んだり疲れていませんか?海外で働くって楽しいこともあるけど、やっぱり大変なことも多いものです。
私はフィリピンに4年間駐在員として働いたことがありますが、うまくいかなくて悔しい思いをしたり、悩んだり、なにくそと踏ん張って大逆転をしたり、やり切ってしばらく動けなくなり、仕事の充実感で涙したこともあります。
なかなか日本では味わえない経験をして自分の財産にすることができたと思っています。
この記事では、その経験を「駐在員10の心得」にまとめました。
東南アジア方面、もしくはラテン系の国で働いている方には特に参考にしていただけるのではないかと思います。
海外赴任で疲れた人に読んでもらいたい!駐在員10の心得
10の心得のうち、前半は調子のいいとき、後半は気分が落ちた時に気持ちを切り替えるための心得です。
- 「異国から来たことを理解し、郷に入れば郷に従う」
- 「広がった権限をもとに、視点を高く」
- 「あうんの呼吸は通じない、伝わらないのは自分が悪い」
- 「現地の言葉を勉強し、現地の人と交流する」
- 「日本人感覚を捨てない」
- 「家族を大切に、家族の絆を強く」
- 「自分の身は自分で守る、ヤバイものには近づかない」
- 「今を楽しむ、いつかは帰るのだから時間を有効に使う」
- 「ほんとにキツくなったら逃げればいい、死ぬよりまし」
- 「健康であること、これが何よりも大事」
海外で働くと孤独を感じやすいので、逃げ道を用意したり、自分で対処する方法をもっておくのが大切です。
そうでないと、せっかく海外で働くという機会をつかんでも、病んで帰国となったらもったいないですから。
ちなみにサッカーだけでなくビジネスでも世界で活躍する本田圭佑選手はこんなことを話しています。
ダメージを受けてる時に完璧主義を維持すると、マイナスにしかならない。乗り切るには、開き直るんですよ。完成度の高さを捨て、ハードルを下げていいんで、とにかく前向きに、その状況をドライブすることにフォーカスする。質とか点数にこだわらない
時には理想を捨てて開き直ることを選択肢としてもっておくべき、ということですね。
それでは10の心得について解説していきます。
1.「異国から来たことを理解し、郷に入れば郷に従う」
日本という変わった国から来たことを理解し、異国のことを学び理解して社会に受け入れてもらっている、という謙虚な意識で生活をするくらいでちょうどよいです。
日本=規律(decipline)のある国ということをよく外国人から言われます。さらに日本人はpunctual(時間に正確)でdependable(当てにできる)、diligent(勤勉)であるとも。
日本にいるとそんな風に思われてる事を感じないですが、他国から見ると日本はとても変わった国らしいです。
以前フィリピンでタクシーに乗っていて、渋滞していたので、Googleマップを見て、こっちの道の方がすいていそうだよ、とドライバーに伝えたところ、「おれが道を決めるんだ、外国人はだまってろ」と言われたことがあります。
急いでいたので言い方が悪く、横柄な外国人と思われたかもしれません。
海外から占領された歴史のある国の人の中には本質的には外国人をよく思っていない人もいると聞いたことがあります。謙虚でいることは大切だなと思った経験でした。
2.「広がった権限をもとに、視点を高く 」
視野を高くもち経営に関わる、もしくは近いところを経験できるチャンスを楽しみましょう。
海外赴任をすると、日本にいたときよりランクが上がり権限が広がることがほとんどです。日本では一般職の人が管理職になったり、課長クラスの人が現地責任者になるというケースもあります。
自分で決められる範囲が大きくなり、プレッシャーよりやりがいを感じる人が多いはず。せっかくの機会なので楽しんで経験を積みましょう。
というのも、日本に帰った後は権限の大きさは元に戻るので、一度経験してしまったギャップを消化できず不満を感じる人が多いです。
海外で経験したことが活かせるポジションがなくて、日本に帰任後、もしくは帰国したくなくて赴任中に辞める人もいます。
ヘッドハンターからスカウトがくるくらいに成長しちゃいましょう。
3.「あうんの呼吸は通じない、伝わらないのは自分が悪い」
相手に伝わらなければ、自分の伝え方が悪いと思わなければいけません。
日本で仕事をしていると単一の民族、言語で構成され、文化的な背景が同じであることから、暗黙の了解が通じやすいです。
日本はコミュニケーションにかかるコスト(時間・負担)がとても低いんですね。
これに対して日本人が海外に出ると、言葉、文化が違うため、いままで当たり前だと思っていたこと、「言わなくてもわかるでしょ」的なところがまったく期待通りになりません。
- 「なぜそれをやる必要があるのか」
- 「いつまでにそれをやる必要があるのか」
など5W1Hの基本的なことを伝えることがどれだけ大切なのかを感じることになります。
4.「現地の言葉を勉強し、現地の人と交流する」
現地の言葉を少しでも覚えてたまに使ってみましょう。現地の母国語が英語ではない国では特に効果があります。
外国人が日本語で一生懸命に話しかけようとしてくれるとなんかうれしいですよね?それと同じです。
英語が苦手な方はまず現地語をいくつか覚えると少しでも現地の方との距離が近くなって面白いと思います。
挨拶だけでも使ってみるとウケがいいですよ。
5.「日本人感覚を捨てない」
現地人に近づく努力をしつつも、日本人感覚を忘れてはいけません。
特に日系企業で働いている場合は大切です。なぜならば日本人感覚で日本人として動くことを日本本社から期待されるからです。
現地を理解するために近づくけれど、完全に現地人化してしまうのはダメ。いいとこ取りしつつ、残すところは残しましょう。
6.「家族を大切に、家族の絆を強く」
海外赴任で家族同伴だと家族の絆が強くなります。
海外で日本にいるより制限のある不自由な生活を送りながら家族で助け合うので自然とそうなることが多いです。
日本も最近は変わってきましたが、海外ではまず家族が優先。
そういう文化にふれると自然と考えが変わってくるのもあると思います。
7.「自分の身は自分で守る、ヤバイものには近づかない」
ヤバイものに近づかない嗅覚が大切です。
危ないと言われていることをしない、危ない場所に興味本位で行かない、が基本です。警察が外国人を平等に扱わないことも良く聞く話です。
現地に住む優しげな日本人から騙されるという話も”あるある”な話でフィリピンでもよく聞きました。
変なことに巻き込まれないように自分の身は自分で守るようにするしかありません。
以前日本人の友人とごはんを食べた帰りタクシーを待っているとき、物売りの兄ちゃんが声をかけてきました。興味がなかったので断りましたが、友人の断り方が彼の気に障ったようで、ケンカ腰でまくしたててきました。
その場を抑えるため、自分の知っているできるだけ丁寧な英語で誤りその場を切り抜けることができました。フィリピンは銃社会だし、護身でナイフを持ち歩いている人も多いとローカルからは聞いてましたので、ちょっと間違えばケガだけではすまない事態になっていたかもしれません。
外国人が刺されたってまともな捜査が行われないと思った方が良いので、トラブルに寄り付かないように気を付けましょう。
8.「今を楽しむ、いつかは帰るのだから時間を有効に使う」
ここからは息がつまったときに思い出したい心得です。
どうせ限られた時間しか居られないんだから、できるだけ楽しむことに集中しましょう。
記事の冒頭の「現地人社員が思ったように働いてくれない」は 3番目の心得「あうんの呼吸は通じない、伝わらないのは自分が悪い」によってそれは自分のせいであることになりました。
でも、あまりにも「自分が悪い・・」って思いすぎると疲れちゃいますよね?
また、「日本側がわかってくれない」「あいつは何やっているかまったくみえない」と言われるとストレスたまっちゃいますよね?
それをため込んで深刻なことになる前に、諦めてリセットしちゃいましょう。
「今を楽しむ」ラテンの国に住んでいる方なら楽しむのが上手な現地の人たちをマネして今しかできないことをやって楽しみましょう!
遊んでるうちにアイデアが浮かんで案外うまくいくこともあったりしますよ。
9.「ほんとにキツくなったら逃げればいい、死ぬよりまし」
ほんとに追い込まれたら死ぬよりはましなのでギブアップ宣言することも考えておきましょう。
今の築き上げてきたポジションを失うのが怖くて選択肢にできない方もいると思いますが、最後の切り札としてもっておくことが大切だと思います。
会社は最後まで自分の面倒をみてくれません。
「 自分の身は自分で守る、ヤバイものには近づかない 」にも通じますね。
10.「健康であること、これが何よりも大事」
健康であること、これが一番重要です。
とくに海外にいると病院にいくのも苦労します。元気がなかったら頑張れないし、感じよくもできないし、相手を思いやることもできない。
日本にいるときよりも健康に気をつけましょう
7-8時間くらい皆さん睡眠時間とれていますか?
私は日本にいるときは4-5時間くらいの睡眠でしたが、赴任中は意識して6時間程度は眠るようにしました。
だめなときは早く帰って寝てしまいましょう。
海外赴任に疲れたり不満を感じた時の対処方法
ここでは海外赴任に疲れたり不満を感じたらどうすべきか、対策は大きくわけて2つです。
- 海外赴任に適応する
- 別の道を探す
海外赴任に適応する
10の心得にまとめたような気持ちの持ちようで海外赴任に適応できるようならそれに越したことはないです。
なぜなら海外赴任中のあなたは会社から選ばれし人なので、そこでうまくやれれば出世コースや今後のキャリアが明るくなるからです。
この記事を読んでいるあなたが海外赴任に行く前なら今が思いを書き留めておくチャンスです。既に海外赴任中の人も昔を思い出したり、今現在思う目標やなりたい自分像を書きだしてみてください。
その目標をたまに見返してみて過去の自分と対話、もしくは対決することでモチベーションを維持してみるのもおすすめです。
それがダメなら割り切って海外赴任の好待遇や手当がつくのを満喫することにフォーカスして赴任が終わるのを耐えることも選択肢のひとつです。
別の道を探す
とはいえ、もうムリだと思ったら自分を大切にする選択肢も持っておきましょう。
体や気持ちが壊れる前にギブアップして帰国を会社に相談する、そんなことは出来ないという人は海外赴任しているうちに転職活動を始めてしまうのも手です。
私は転職エージェントを使って転職をしたことがあるのですが、仕事に悩んで家族や周りの人には正直に相談できないけど、コンサルタントに自分の思いをぶつけるだけでもスッキリしたし、自分にどんな選択肢があるかが分かるので自信になりました。
コンサルタントに相談するにあたり自分の経歴を振り返ることになるので自分のキャリアの棚卸をして整理ができるのもいいところです。
海外赴任を辞めたい人、突然帰任を言われたけどまだ海外に居たい人、海外で働いた経験を活かした新しいチャレンジがしたい人など、今すぐに転職を考えていなくても無料で相談に乗ってもらえるのでおすすめです。
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まとめ
あなたが海外赴任がツライと感じた時に10の心得のうちどれかを思い出して、少しでも気が楽になるならこの記事を書いて本当に良かったと思います。
- 「異国から来たことを理解し、郷に入れば郷に従う」
- 「広がった権限をもとに、視点を高く」
- 「あうんの呼吸は通じない、伝わらないのは自分が悪い」
- 「現地の言葉を勉強し、現地の人と交流する」
- 「日本人感覚を捨てない」
- 「家族を大切に、家族の絆を強く」
- 「自分の身は自分で守る、ヤバイものには近づかない」
- 「今を楽しむ、いつかは帰るのだから時間を有効に使う」
- 「ほんとにキツくなったら逃げればいい、死ぬよりまし」
- 「健康であること、これが何よりも大事」
もし海外赴任はもうギブアップしたいけど今の会社にはそんなことは言えない、という人は転職エージェントや転職サイトに登録してみることをおすすめします。
実際に転職をしないとしても、誰にも相談できない仕事の悩みをコンサルに聞いてもらったり、求人を紹介してもらい自分の価値を再確認できることで気分も変わるので、悩んでいるなら登録してみるのがおすすめです。
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- リクルートエージェント
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以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました!
※この記事を書くにあたり以下のサイトを参考にさせていただきました。